コメント--バックナンバー 2010年6月

 皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。この5月の連休中は素晴らしいお天気に恵まれましたが、その後は雨が降ったり冷え込んだりしまして気候不順が続きました。この5月は、4月まで続きました「さよなら公演」の期間中に出来なかった、残った仕事などを整理しておりまして、23日までは意外と忙しい月でした。 舞台の仕事としましては主に朗読会を行いました。前回の「天守物語」に続きまして「海神別荘」の朗読会を各地で開催させていただきました。「天守物語」は30年以上やってきましたが、この「海神別荘」は12年ほどしか経験しておりませんし「美女」という役は自分の出番しか舞台に出ておりませんので、他の役の台詞が頭に入っておりませんので少し緊張も致しました。しかし「天守物語」の日本独自の笛の演奏と違いまして、今回は朝川朋之さんのハープとのコラボレーションでしたので、また違った雰囲気で自分が「海神別荘」の世界に入っていくことが出来ました。  5月23日には能登の七尾市で「長谷川等伯没後400年」という記念行事に参加させていただきました。長谷川等伯といいますと「松林図屏風」が大変有名でございますが、安土桃山時代から江戸時代初期に活躍されまして、今でも全ての作品が国宝重要文化財になっている程の桃山時代を代表する絵師です。また、能登の七尾出身ということで大変親しみも感じました。江戸時代に活躍された多くの芸術家は、染物業の子息や呉服屋の子息、姫路城城主の御曹司と様々な出身の人がいますが、『一代でこれだけの事を築き上げたんだなあ』と改めて感動させられました。
 さて、6月は南座で舞踊公演を開催させていただきます。この度の「関の扉」は多少改訂されておりますが、上下段合わせての上演が20年振りくらいになりますでしょうか。そして序幕には「由縁の月」という「吉田屋」の「夕霧」の元々の姿を題材にした、地唄の作品でございます。 先日南座記者懇親会でも申し上げましたが、南座での舞踊会が今年で16年目を迎えるということで、毎年どのような出し物をと考えてきましたが、月日というものは誠に早くあっという間に経ってしまいました。八千代座も今年で20年を迎えますが、どの舞台も10年、20年の積み重ねが有ってこそ出来るお仕事だと改めて考えられる今日この頃です。新しい物を手探りで開発することはなかなか容易には出来ませんが、この数年間の経験を得て、また更にどれだけ新鮮に舞台を努められるかということがやはり今の自分の課題だと思います。  
 獅童さんは私よりも一世代後輩になります。更に一世代後輩の隼人さんとも共演させていただきます。私も二世代ほど上の大先輩の方々に抜擢をしていただきまして、今の経験を積ませていただきました。今更ながら抜擢をして下さいました先輩方をありがたく思い、そのご恩として後輩に渡して行かなければと思う次第でございます。
 6月半ばには上海へ行ってまいります。去年の11月以来久しく昆劇の音楽を聴いて勉強することをしておりませんでしたが、この5月の朗読会の移動中に暫く振りに聴いた次第です。7月は「DADAN」の演出のお仕事があります。8月はお休みを頂きますので自分をしっかり見つめ直しながら楽しく夏を過ごしたいと思っております。
 今月は梅雨入りとなります。皆様お体調を整えてお元気にお過ごし下さいませ。