コメント--バックナンバー 2010年4月

 皆様お元気でいらっしゃいますか。いよいよ桜の季節がやってまいりました。お陰様で「御名残三月大歌舞伎」無事に千秋楽を迎えました。昼の第一部では久し振りに「女暫」を上演させて頂きました。「籠釣瓶花街酔醒」などもそうですが、江戸狂言であるということを改めて実感しました。また、四月の御名残公演でも「助六由緑江戸桜」を上演させて頂きまして江戸の作品が続きます。
3月の第三部では、先代の十三代目片岡仁左衛門さんの十七回忌、私の父十四代目守田勘弥の三十七回忌追善ということで「道明寺」の「覚寿」を努めさせて頂きました。初めての老女役ということで、これからこの「覚寿」などの経験を得て若い役だけではなく、色々な大人の役というものが演じられるようになられればと思いながら毎日大変勉強させて頂いきました。
 3月初旬は大変冷え込んでいましたが、半ば頃から暖かくなりまして、従来通り3月末からは桜の季節となりました。今年はお天気が不純で黄砂もやって来たり花粉も飛んだりしていましたが、お陰様で私は2月、3月と体調を崩すことなく舞台を努めることが出来ました。今月も28日の千秋楽までこの御名残公演の大役を無事に務めさせて頂ければと思っている次第でございます。
また、先日も申し上げましたように歌舞伎座の正面向かって右側に設置してあります「カウントダウン」の電光板が、100日を切ったということを1月のコメントでお話致しましたが、今月のコメントが掲載されますころには、もう30日を切っているわけでございます。約3年後には新しい歌舞伎座になりますが、お陰様で歌舞伎座建て直しということに対しての気持ちは落ち着いて参りました。
2月、3月の御名残公演では歌舞伎座に通い詰めの毎日で、外へ出かけることがありませんでしたので、今月は特別なコメントをお出しすることも出来ませんが、大勢の皆様にご来場頂きまして劇場でお会いするという役者本来の生活を味わっている次第でございます。
この4月が終わりますと、各地で「朗読会」を行いまして、6月の「舞踊会」。夏はしばらくお休みを頂きまして秋からの公演を迎えますが、やはりこの歌舞伎座のさよなら公演というものが一つの節目であるような気も致します。去年の秋から舞台が立て込んでおりましたので、4月が終わりましたら少しのんびりしようという気持ちもございましたが、この舞台続きの為、お受けすることの出来なかったお仕事が入ってきまして、今年はお陰様で忙しいながらも、充実したスケジュールになりました。来年の話しをすると「鬼が笑う」と申しますけれども、来年はどのような年になるのかな…と、4月の舞台が終わりましたらゆっくり考えたいと思っております。
春は花も咲き、木々も芽吹いて本当に素晴らしい季節でございます。今月の最後の御名残公演に、私も出来る限りの舞台を努めたいと思っておりますので、皆様にも是非ご来場頂きますようお願い申し上げます。