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皆様お元気でいらっしゃいますか。いよいよ12月師走となりました。
11月30日から南座顔見世興行の初日が開きまして、今は京都に滞在しております。11月は八千代座で「京鹿子娘道成寺」を上演させて頂き、お陰様で連日満員のうちに千秋楽を迎えられました。本当に有り難うございました。私は24才の時初めて「京鹿子娘道成寺」を踊りまして、考えますと35年間踊ってきたことになります。これまでの雑誌の対談や和楽のムックなどで舞台に対する自分の考えや思いを述べてさせて頂きましたが、内容的にも体力的にも大変大きな出し物でございますので、お稽古なしで突然初日を開けるというわけにはいかないものでございます。幸い10月歌舞伎座で「蜘蛛の拍子舞」を踊っておりましたので、その流れで「京鹿子娘道成寺」に入ることが出来ましたが、やはり身体の使い方が違い初日の頃などは、どこか動きがおぼつかないところもございました。今後一人での「京鹿子娘道成寺」の上演予定はなく、この八千代座での上演が最後と考えております。「鷺娘」は今年の1月歌舞伎座での上演で最後を迎えましたが、「京鹿子娘道成寺」出来る、出来ないということよりも、12月興行に入ったばかりで今はまだ心の準備が無く、申し上げられない次第でございます。 来年の4月で歌舞伎座が休館に入りますので、しばらく上演は考えられないことですので、そのことを考えますと今回で最後になるのではないかと思う次第でございます。
さて、上海における中日版「牡丹亭」ですが、こちらも盛況に千秋楽を迎えることが出来ました。今回公演を行いました「蘭心劇場」といいますのは、約100年前上海にヨーロッパの文化が入ってまいりましたときに建てられた劇場で、ロンドンやブロードウェイなどの古い劇場のような気分でございました。ブロードウェイの古い劇場ともうしましても、やはりヨーロッパからの流れがあったと思いますので、どこか懐かしさも感じました。
まだ発表にはなりませんが、来年は「牡丹亭」を東京での上演をという企画が出ております。約2年半をかけて稽古をしてまいりました今回の中日版「牡丹亭」は、私が全幕出演するということになりました。ご存じの通り南座・北京では・「驚夢」・「離魂」と中国演奏家による唯是先生の「楊貴妃」を上演しました。今年の3月蘇州では「遊園」・「驚夢」・「離魂」・「回生」を演じまして、1時間強の幕を一人で上演させて頂きました。今回上海における公演は「写真」・「幽媾」を追加しまして、中日版としては全幕出演することが出来ました。お陰様で何とか上演出来ましたが、2年前の6月にこの「牡丹亭」を現語での上演と決まりましてから足かけ約2年半、旅行や乗り物での移動中、歌舞伎のセリフを覚えるとき以外には、ミニウォークマンに昆劇の歌や台詞を録音して、それを聞きながら少しでも時間が有る時に、いつも小さい声で歌いながらお稽古をしてまいりました。勿論曲を覚えるのが先で、その次にセリフ、そして意味を覚えました。その全てを自分の心に沿うように、身体で覚えるということを2年半かけて常にやってまいりましたが、今回の上海公演が終わりまして、帰国便の搭乗中、実に2年半振りに昆劇の録音を聞いたり、歌舞伎の台本を開かないまま乗り物に乗りまして、久しぶりにリラックスして何かとても不思議な気がしたのでございます。
上海から帰国しまして都内で2日仕事をしまして早々京都へ入りました。今回初めて顔見世興行で初役を頂きました。昼の部「封印切り」で「おえん」の役を演じさせて頂きます。夜の部では久し振りの「助六曲輪初花桜」で「揚巻」を演じさせて頂きます。残念ながら今回は時間の都合上、道中は無く、振り落としからの上演となります。この京都顔見世興行へも度々伺っておりますが、初めて伺いましたのは21才の時でした。その頃から京都の有志の方々にお集まり頂いて、後援会様など応援のお陰で今日を迎えることが出来ましたことを心より感謝致したおります。
インフルエンザの流行る時期になりましたが、私は11月八千代座・上海。12月南座と地方公演が続きますので、熊本へ出発前の10月末にインフルエンザの予防接種を受けました。出来る限りお客様にご迷惑をかからぬよう健康な身体で舞台を努めたいと思っております。
皆様どうぞお風邪など召しませぬようお過ごし下さい。それでは劇場でお待ち申し上げております。
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