皆様お元気でいらっしゃいますか。
5月は、二代目中村魁春さん襲名と六代目中村歌右衛門さん一年祭興行の京都南座で過ごしました。魁春さんにおかれましては、4,5月と続けて数々の大役、無事に勤め上げられましたこと、誠におめでたく心からお祝い申し上げます。
先日も申し上げたとおり、昨年12月から続きました歌舞伎座公演でしたが、久しぶりに京都に来まして、鴨川や東山を見ながら、素晴らしい季節を堪能することができました。舞台稽古の間に時間があったので、西芳寺は行って来ました。帰りには、西陣の織物屋さんや刺繍屋さんを廻り、公演の為の衣裳などを注文してあちらこちら歩きました。さすがに雅の都だということを今更ながら痛感いたします。
昨年の7月のメッセージに方丈記の『ゆく川の流れは絶えずして…』ということをお話ししましたが、今年は明るい気分で鴨川を眺めていました。ただ、昼の部『鐘の岬』、夜の部『鷺娘』と2本の舞踊を踊っていましたので、川原を歩くことは控えていまして、ひたすら眺めるばかりでした。すると白鷺や蒼鷺、鴨などの鳥が、鴨川の魚を捕りに来て、その飛んでいる姿やたたずまい。本当に自然というものは素晴らしい景色を見せてくれます。
5月は五月晴れが期待される月ですが、今年の京都はどんよりした日や雨が多く、五月晴れは千秋楽までに、ほんの1週間から10日くらいしか味わうことができませんでした。しかしまた、雨は雨、曇りは曇りの景色というものがあります。比叡山や東山には、朝晩霧が掛かって得も言われぬ空を味わうことができました。明くる日、目が覚めてカーテンを開けてみると、晴天の京都が見えたり、本当に美しい素晴らしい時間を過ごさせてもらい、心新たに6月公演に向かうことができました。
何故かこの頃は季節が巡ってくるのが早いようで、沖縄はもう梅雨入りをしたということです。関東もこれから梅雨入りですが、皆様お身体大事になさってくださいませ。
5月は時間があったとはいえ、ほとんど劇場に詰めておりましたので、皆様にお話しするコメントはこれくらいにさせていただきます。